「経営・管理」ビザの活動内容
本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動
「経営・管理」ビザの該当例
企業等の経営者・管理者
「経営・管理」ビザの在留期間
5年,3年,1年,4月又は3月
「経営・管理」ビザの申請標準処理期間
在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請 2週間~1か月
在留資格認定証明書交付申請 1か月~3か月
「経営・管理」ビザの基準省令
※月単位の短期間賃貸スペース等を利用したり,容易に処分可能な屋台等を利用したりする場合には,基準省令の要件に適合しているとは認められません。
※当該物件に係る賃貸借契約においてその使用目的を事業用,店舗,事務所等事業目的であることを明らかにし,賃貸借契約者についても当該法人等の名義とし,当該法人等による使用であることを明確にすることが必要です。
※住居として賃借している物件の一部を使用して事業が運営されるような場合には,住居目的以外での使用を貸主が認めていること(事業所として借主と当該法人の間で転貸借されることにつき,貸主が同意していること。),借主も当該法人が事業所として使用することを認めていること,当該法人が事業を行う設備等を備えた事業目的占有の部屋を有していること,当該物件に係る公共料金等の共用費用の支払に関する取決めが明確になっていること及び看板類似の社会的標識を掲げていることを必要とします。
※インキュベーター(経営アドバイス,企業運営に必要なビジネスサービス等への橋渡しを行う団体・組織)が支援している場合で,申請人から当該事業所に係る使用承諾書等の提出があったときは,(独)日本貿易振興機構(JETRO)対日投資ビジネスサポートセンター(IBSC)その他インキュベーションオフィス等の一時的な住所又は事業所であって,起業支援を目的に一時的に事業用オフィスとして貸与されているものの確保をもって,基準省令にある「事業所の確保(存在)」の要件に適合しているものとして取り扱われます。
事業の継続性について
直近期又は直近期前期において売上総利益がある場合
直近期末において剰余金がある場合又は剰余金も欠損金もない場合
直近期末において欠損金がある場合
(ア)直近期末において債務超過となっていない場合
事業計画,資金調達等の状況により,将来にわたって事業の継続が見込まれる可能性を考慮し,今後1年間の事業計画書及び予想収益を示した資料の提出を必要とし,事業が行われていることに疑義があるなどの場合を除いて,原則として事業の継続性があると認められます。ただし,当該資料の内容によっては,中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出をさらに求められる場合もあります。
(イ)直近期末において債務超過であるが,直近期前期末では債務超過となっていない場合
債務超過となった場合,一般的には企業としての信用力が低下し,事業の存続が危ぶまれる状況となっていることから,事業の継続性を認め難いものですが,債務超過が1年以上継続していない場合に限り,1年以内に具体的な改善(債務超過の状態でなくなることをいう。)の見通しがあることを前提として事業の継続性を認められます。
具体的には,直近期末において債務超過ですが,直近期前期末では債務超過となっていない場合には,中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が,改善の見通し(1年以内に債務超過の状態でなくなることの見通しを含む。)について評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出を必要とし,当該書面を参考として事業の継続性を判断されます。
(ウ)直近期末及び直近期前期末ともに債務超過である場合
債務超過となって1年以上経過しても債務超過の状態でなくならなかったときは,事業の存続について厳しい財務状況が続いていること及び1年間での十分な改善がなされていないことから,事業の継続性があるとは認められません。
直近期及び直近期前期において共に売上総利益がない場合
企業の主たる業務において売上高が売上原価を下回るということは,通常の企業活動を行っているものとは認められず,仮に営業外損益,特別損益により利益を確保したとしても,それが本来の業務から生じているものではありません。単期に特別な事情から売上総利益がない場合があることも想定されるところ,二期連続して売上総利益がないということは当該企業が主たる業務を継続的に行える能力を有しているとは認められません。したがって,この場合には事業の継続性があるとは認められません。
「経営・管理」ビザのご相談時にご準備いただきたい書類
以下の書類をご準備いただけますと、ご相談がスムーズです。※なくても大丈夫です。
- 写真(縦4cm×横3cm) 1枚
- パスポート
- 在留カード
- 住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通(在留期間更新の場合)
- 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるもののコピー)(在留期間更新許可)
- 直近年度の決算書
- 履歴書(管理者)
- 労働条件通知書(管理者)
- 大学院の卒業証明書(管理者)
- 会社謄本、会社案内
- 営業所の賃貸契約書等
- 事業計画書(新会社設立の場合。)
「経営・管理」ビザ申請の対応地域
埼玉県
「住居」を事業所として「経営・管理」ビザの許否に係る事例
- 本邦において個人経営の飲食店を営むとして在留資格変更申請を行ったが,事務所とされる物件に係る賃貸借契約における使用目的が「住居」とされていたものの,貸主との間で「会社の事務所」として使用することを認めるとする特約を交わしており,事業所が確保されていると認められたもの。
- 本邦において水産物の輸出入及び加工販売業を営むとして在留資格認定証明書交付申請を行ったところ,本店が役員自宅である一方,支社として商工会所有の物件を賃借していたことから,事業所が確保されていると認められたもの。
- 本邦において株式会社を設立し,販売事業を営むとして在留資格認定証明書交付申請を行ったが,会社事務所と住居部分の入り口は別となっており,事務所入り口には,会社名を表す標識が設置されていた。また,事務所にはパソコン,電話,事務机,コピー機等の事務機器が設置されるなど事業が営まれていることが確認され,事業所が確保されていると認められたもの。
- 本邦において有限会社を設立し,当該法人の事業経営に従事するとして在留期間更新許可申請を行ったが,事業所が居宅と思われたことから調査したところ,郵便受け,玄関には事業所の所在を明らかにする標識等はなく,室内においても,事業運営に必要な設備・備品等は設置されておらず,従業員の給与簿・出勤簿も存在せず,室内には日常生活品が有るのみで事業所が確保されているとは認められなかったもの。
- 本邦において有限会社を設立し,総販売代理店を営むとして在留資格認定証明書交付申請を行ったが,提出された資料から事業所が住居であると思われ,調査したところ,2階建てアパートで郵便受け,玄関には社名を表す標識等はなかったもの。また,居宅内も事務機器等は設置されておらず,家具等の一般日常生活を営む備品のみであったことから,事業所が確保されているとは認められなかったもの。
- 本邦において有限会社を設立し,設計会社を営むとして在留資格変更許可申請を行ったが,提出された資料から事業所が法人名義でも経営者の名義でもなく従業員名義であり同従業員の住居として使用されていたこと,当該施設の光熱費の支払いも同従業員名義であったこと及び当該物件を住居目的以外での使用することの貸主の同意が確認できなかったことから,事業所が確保されているとは認められなかったもの。
直近期決算で当期純損失のあった「経営・管理」ビザの許否に係る事例
- 当該企業の直近期決算書によると,当期損失が発生しているものの,債務超過とはなっていない。また同社については第1期の決算である事情にも鑑み,当該事業の継続性があると認められたもの。売上高総利益率:約60%,売上高営業利益率:約-65%,自己資本比率:約30%
- 当該企業の直近期決算書によると,売上総損失(売上高-売上原価)が発生していること,当期損益は赤字で欠損金もあり,また,欠損金の額は資本金の約2倍が発生していることから,当該事業の継続性を認められなかったもの。売上高総利益率:約-30%,売上高営業利益率:-1,000%超,自己資本比率:約-100%
2名以上の外国人が共同で事業を経営する場合の「経営・管理」ビザ
2名以上の外国人が共同で事業を経営する場合
(1)事業の規模や業務量等の状況を勘案して,それぞれの外国人が事業の経営又は管理を行うことについて合理的な理由が認められること
(2)事業の経営又は管理に係る業務について,それぞれの外国人ごとに従事することとなる業務の内容が明確になっていること
(3)それぞれの外国人が経営又は管理に係る業務の対価として相当の報酬額の支払いを受けることとなっていること等の条件が満たされている場合
上記の場合には、それぞれの外国人全員について,「経営・管理」の在留資格に該当するとの判断が可能といえます。
2名以上の外国人が共同で事業を経営する場合の「経営・管理」ビザの許可事例
- 外国人A及びBがそれぞれ500万円出資して,本邦において輸入雑貨業を営む資本金1000万円のX社を設立したところ,Aは,通関手続をはじめ輸出入業務等海外取引の専門家であり,Bは,輸入した物品の品質・在庫管理及び経理の専門家である。Aは,海外取引業務の面から,Bは,輸入品の管理及び経理面から,それぞれにX社の業務状況を判断し,経営方針については,共同経営者として合議で決定することとしている。A及びBの報酬は,事業収益からそれぞれの出資額に応じた割合で支払われることとなっている。
- 外国人C及びDがそれぞれ600万円及び800万円を出資して,本邦において運送サービス業を営む資本金1400万円のY社を共同で設立したところ,運送サービスを実施する担当地域を設定した上で,C及びDがそれぞれの地域を担当し,それぞれが自らの担当する地域について,事業の運営を行っている。Y社全体としての経営方針は,C及びDが合議で決定することとし,C及びDの報酬は,事業収益からそれぞれの出資額に応じた割合で支払われることとなっている。